過焦点距離で実際にパンフォーカスが得られるのか実験してみた

過焦点距離 パンフォーカス サムネ

風景写真や街並みを広角気味で大きく撮影しようとする際、全体的にピントを合わせて撮影したいですよね。
このように、被写界深度を深くする事によって、近くのものから遠くのものまでピントが合っているように見せる方法や、その方法で撮影した写真のことをパンフォーカスと呼びます。

被写界深度を深くということで、“小絞りボケ”を注意しながら絞り込めば良いことになります。

小絞りボケに注意!絞りによる解像力と被写界深度のバランスの見極め。

2018.07.04

ピント位置は風景なら奥の山々や、街並みなら奥の建物などをAFで合わせるのが一般的だと思います。
所謂、無限遠にピントを合わせるわけです。

無限遠とは?
無限遠とは、カメラにて、それ以降、ピント調節が不要となる距離を表します。フォーカスリングを限界までまわした位置ではないのでご注意ください!
一般的には焦点距離の2000倍以上の距離と言われ、焦点距離50mmであれば、100m(50mm×2000)以上であれば無限遠とみなすことができるわけです。

でもパンフォーカスを得るには無限遠ではなく、別のポイントにピントを合わせる必要があるようです。

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過焦点距離とは?

過焦点距離について

上図のように、無限遠にピントの位置を持ってきた場合、ピントの合っているように見える範囲までの距離を“過焦点距離”と言います。
ピントの位置を無限遠から近づけていくとピントの合っているように見える範囲は、2,3,4のようになります。
つまり、過焦点距離にピントを持ってきた場合、ピントの合っているように見える範囲がもっとも広くなるわけです。

まとめると、パンフォーカスを得るベストな設定はある程度絞って、過焦点距離にピントを合わせることとなります。

過焦点距離の求め方

と言われても、実際どの位置が過焦点距離なのか。
それを求める公式があります。

過焦点距離の求め方

(久しぶりに公式とか見ると、子供の頃より抵抗感が増している気がする)

焦点距離や絞り値はいいとして、許容錯乱円って何だ?と思いますよね。
許容錯乱円はピンボケの判断基準に使われる数値らしく、フルサイズセンサーの場合は、許容錯乱円の値は0.033mmをよく使うとのことです。
ちなみに、一般的なセンサーサイズ事の許容錯乱円の値は下記のようになります。

センサーサイズ 許容錯乱円(mm)
フルサイズ 0.033
APS-C 0.022
マイクロフォーサーズ 0.0165

これを元に実際に計算をしてみたいと思います。

・使用カメラ:フルサイズカメラ
・焦点距離:16mm
・絞り:F8
・許容錯乱円:0.033mm

上記設定だと、過焦点距離は16mm × 16mm ÷ 8 ÷ 0.033となるので、969.69696…mmとなります。
つまり、0.97m辺りにピントを合わせると、一番被写界深度が深く、無限遠までピントが合うということになります。

撮影してみた

実際に撮影・検証してみました。
所持レンズの事情でフルサイズセンサーのカメラだけでなく、マイクロフォーサーズのカメラでも撮影しました。

フルサイズカメラ

フルサイズカメラで所持しているレンズが焦点距離40mmの単焦点レンズしかないので、このレンズで実際に撮影して検証したい……する予定でしたが、断念しました。

・使用カメラ:フルサイズカメラ(1220万画素)
・焦点距離:40mm
・絞り:F8
・許容錯乱円:0.033mm

上記設定だと、過焦点距離は40mm × 40mm ÷ 8 ÷ 0.033 = 6060.6060606…mm、つまり6m付近にピントを合わせることになります。
パンフォーカスを得るには広角レンズの方が分があるのが、この式からもわかりますね。

6m付近だと、無限遠にフォーカスを合わせるのとほぼ変わらず、検証にならなかったので、より広角なレンズを手にした際に更新したいと思います。

マイクロフォーサーズ

センサーサイズが小さいとズーム時の解像感が甘くなるかもしれませんが、マイクロフォーサーズなら焦点距離12mm(35mm換算24mm)で検証出来るので撮影してみました。

・使用カメラ:マイクロフォーサーズカメラ(2033万画素)
・焦点距離:12mm(35mm換算24mm)
・絞り:F8
・許容錯乱円:0.0165mm

センサーサイズがフルサイズでない場合でも、公式の焦点距離は35mm換算焦点距離ではなく実焦点距離を用いる必要がある(らしい)ので、12 × 12mm ÷ 8 ÷ 0.0165 = 1090.9090909…mm、つまり理論上1m付近にピントを合わせるとよいことになります。

過焦点距離 試写01

過焦点距離にフォーカスを合わせた場合と無限遠にフォーカスを合わせた場合で、上図の赤枠にて近くと遠くのピント確認をしたいと思います。
撮影方法は1m付近にピントを合わせ撮影、上図遠方の赤枠にある左の建物にピントを合わせ撮影しました。

過焦点距離にフォーカス

過焦点距離 試写04 過焦点距離 試写02

ボヤケテマスネ。

無限遠にフォーカス

過焦点距離 試写05 過焦点距離 試写03

おや?
近くも遠くもいい感じにピントが合いました。
遠方赤枠の左の建物にピントを合わせているので、遠方でピントが合うのは納得なのですが、近くも結構くっきりと撮影できました。

理論通りにはいかなかった

最近のカメラはどんどん高画素化が進んでおり、過焦点距離の理論が通用しなくなってるという記事をあちらこちらで読みました。
もともとフィルムカメラで用いられていた公式であり、デジタル化されたカメラだと許容錯乱円の値自体が甘いようです。
プラスして、パソコンに取り込み解像度を変更したり画像サイズも変えていること。モニターの解像度も環境で違うこと。
そういった点を全て含めると、今回試した撮影は正確なテストでは無いと思います。
厳密に図って撮影等したら変わるかもしれませんし、フルサイズではもっと違った結果になったかも。

今回の件を踏まえて理解したことは、パンフォーカス撮影を狙う際は遠方の建物などにピントを合わせておけば良いということ。
(花火の撮影などで利用される方法ですね)
パーフェクトなパンフォーカスを得るのは難しいかもしれませんが、近しい写真になると思います。
都度、過焦点距離を図って撮影するのも難しいので、無限遠にフォーカスを合わせる方が簡単です。

カメラ近くに被写体がある場合

被写体が近ければ近いほど被写界深度は浅くなります。
なのでそこにピントを合わせるとパンフォーカスではなくなります。
ですが、こういった検証以外で写真を見る際に拡大して隅々まで見ることはほぼありません。
つまり、意図的に前ボケを狙う場合を除き、近くの被写体にピントを合わせた方が写真として不自然がないかもしれません。
勿論、この場合の被写体は目立つ(被写体力がある)場合であり、特に目立たないような小さなものであれば無理にピント合わせしなくても良いと思います。
後は、その被写体と背景をどこまで追い込むか、絞りを調整しながら撮影し被写界深度を決めていくのがベストかもしれません。

パンフォーカスを撮影する際は、こういったことを頭の片隅に置き撮影に挑みたいと思いました。
どんなことも試さないとわかりませんね。写真撮影は本当に奥が深いです。


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過焦点距離 パンフォーカス サムネ

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