今、売れに売れているSONYのα7III。
同シリーズの上位モデルであるα9やα7RIIIなどに比べると、液晶モニターなど劣っている点はありますが、あれだけの機能を詰め込んでの価格であればコスパはいいのかなぁと思います。
α7IIIは高感度性能も素晴らしいらしく、とある記事にて高感度モデルであるα7sと比較した画像があったのですが、α7IIIの方がノイズが少なかったのには衝撃でした。
前回、高感度について画素数が低い方が光をより取り込めると説明しましたが、ノイズ処理など、カメラの性能は日々進化しているんですね。
α7sは2014年でα7IIIは2018年発売なので、致し方のないことかと。
今回は、暗所での撮影に無くてはならないISO感度についてのお話になります。
目次
ISO感度とは?
カメラの撮影において、シャッタースピード、絞りに並び重要なのが「ISO感度」になります。
呼び方は「アイエスオー」や「イソ」、「アイソ」など。どれも正解みたいです。
ISOは略称で、「International Organization for Standardization(国際標準化機構)」。つまり、ISOは国際的に決められた世界共通の規格ですよ!といった意味で、この文字だけからは、機能との深い意味合いはありません。
デジタルカメラでは、レンズを通った光がセンサーに当たり、そのあたった光が画像処理エンジンによって“電気信号”に変わることで、写真としてモニターに写し出されます。
この“電気信号”に変換する際に、光の量をどれだけ増幅させたかを表した数値が「ISO感度」になります。
簡単に言うと、ISO感度を上げれば光の量が増えるので、明るく撮影出来るということです。
ISO感度の必要性とは?
ずばり、“ブレない為”と“明るく撮影する為”です。
ブレ防止の為
適正露出の条件としては、まず、シャッタースピードと絞りを調整します。
絞りを開放すればより光を取り込めますし、シャッタースピードを遅くすれば、それだけ光を取り込めます。
レンズにもより最大開放値が決まっているので、必然的にシャッタースピードを調整する必要があります。
つまり暗所での撮影ではシャッタースピードが遅くなる傾向があるわけです。
シャッタースピードが遅くなると出てくる問題は“ブレ”。
ブレも表現としてのブレならばOKかもしれませんが、一般的には避けたいところ。
デジカメのモニターで確認し、パッと見ブレてないと思っても、パソコンのモニターで確認するとブレてるってことよくあります。
ISO感度を上げて、シャッタースピードを早めることが出来たら、ブレの危険性を少なくできるわけです。
明るく撮りたい為
あまり光の条件が悪い状況下で、少しでも明るく撮影したい場合、ISO感度をあげることで見た目以上の明るさで撮影することが出来ます。
夜景撮影や部屋での撮影など、三脚を使わずに手持ちでも撮影できるのは魅力的です。
ISO感度のデメリット
ISO感度のメリットは先ほども書いたように、暗い場所でも明るく撮影でき、ブレ軽減に役立つという点。
ではデメリットはないのか?という話になりますが、“ノイズ”になります。
スマホなどで、暗い場所を撮影するとザラザラとした写真になることないですか?あのザラつきがノイズです。
光の量を“無理やり”増幅させるわけです。
スピーカーの音量を上げていくとサーっと音が混ざるように、何かを機械的に増幅するとそれに伴ってノイズが生じてしまうのです。
このようにISO感度を上げていくと、それだけノイズが目立ってきます。

ISO感度は、100が一般的に標準(画質が良く)で、上げていくにつれノイズが目立ち、結果、画質が悪くなります。
ISO感度の最適な設定
先ほど、ISO感度100が画質が良いと書きましたが、400や800で途端に画質が悪くなるわけではありません。
一般的なカメラであれば、100~1600のISO感度であれば、パッと見の変化は感じられず、アップにしても画質劣化も気にならない、常用できる範囲になります。
どういった時にISO感度を調節したら良いのか、簡単にISO別に状況を説明します。
ISO100

晴天時や、三脚を用いての撮影などに有効です。
太陽光をたっぷりと浴びている状況下ではシャッタースピードを限界にしても明るすぎてしまうこともしばしば。絞りで調節するといった状況になることも多いです。
なので、ISO感度は標準である100で十分になります。
また、三脚を用いての撮影する場合、シャッタースピードを気にせず撮影出来るので、ISO感度は気にしなくて(標準のままで)良いとなります。
ISO400 – 800

スナップ撮影や、建物内、日陰などでの撮影に向いています。
ISO100は画質が良くても、晴天時や空に向けた撮影でない限り、安定したシャッタースピードを確保できません。
ISO400 – 800 であれば、ある程度陰った場所や、建物内でもブレずに撮影出来るので、スナップなどに向いています。
画質を保持しながら、ブレも気にしなくて良い、とても使いやすいISO感度領域になります。
ISO1600 – 3200

暗めの室内や、夜景、夜空(三脚使用)の撮影に向いています。
自然光がたくさん入り込む部屋を除きますが、部屋って想像している以上にカメラにとっては暗い場所になります。
賑やかな街並みでの夜景であれば、明暗があるので、明るすぎず暗すぎずといったカタチでISO感度を調節すると良いと思います。
また三脚使用での夜空、特に星空の撮影になりますが、この場合はカメラのシャッタースピードの上限を見て設定しましょう。
シャッタースピードの上限設定は長くて30sくらいで、次はバルブ撮影になるモデルが多いと思います。
星は地球の自転により長く撮影していると、点ではなく線になってしまうので注意が必要です。
なので、ある程度のシャッタースピード(この場合はスローシャッター)を確保しつつ、ISO感度を調節するとベストだと思います。
月明かりが残っている場合は、ISO感度800でも撮影出来てしまうこともあります。
ISO6400 – について
最近のカメラは高感度に強く、ノイズ除去も優れているので、ISO6400以上でも綺麗に撮影出来てしまうカメラも多いです。
でも必要に迫られる状況以外ではISO3200までに抑えておくと、そこまでノイズが目立たず良い画質を保持できると思います。
またカメラによっては、ISO感度を細かく設定できるものも多いで、上手く活用していくと良いでしょう。
ブレよりノイズを受け入れる勇気
先ほど「必要に迫られる状況以外ではISO3200までに~」と書きましたが、それでシャッタースピードが遅くなり、ブレてしまうのであれば、ノイズが増してもISO感度を上げた方が良いと思います。
自身の記録としての撮影であれば、ISO感度は気にしない方が良いです。
後々撮影した写真を見返して、ブレていることに落胆するより、ちょっとノイズがひどくても見れる写真の方が記録としては嬉しいかと。
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