食べ物を撮影しようとした時、ボヤけて撮れない!なんて経験ありませんか?
「ちょっと離れると美味しそうなハンバーグが撮影できるけど、そうするとなんか周りの余分なものまで写ってしまう」
これは使用しているレンズが、被写体をどれくらい大きく写せるのかといったものなのですが、いまいちよくわからないですよね。
正確には、「最短撮影距離」と「最大撮影倍率」というものが関わっており、こんな漢字を見るとますますチンプンカンプンになります。
私もなんだか訳がわからなくなっていきそうなので、一つずつステップを踏んで解説していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
最大撮影倍率が大きければ大きく写る

最大撮影倍率をネットで調べると、“1cmの被写体が1cmとしてセンサーに写るものを最大撮影倍率が1倍(1:1)”と表されます。
これだけ読んでも、私の脳内では理解ができませんでした。
すごく簡単に言うと、最大撮影倍率が1倍が等倍として大きく、それ以下になっていくほど大きく写せなくなっていくということになります。
例えば、下記のNikonの2つのレンズを比べてみます。
・AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G
最大撮影倍率:0.16倍
最短撮影距離:0.3m
・AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
最大撮影倍率:1.00倍
最短撮影距離:0.163m
どちらもAPS-C専用の単焦点レンズになりますが、最大撮影倍率の値が大きく違うことがわかります。
40mmの単焦点レンズは、最大撮影倍率が1倍となっており、被写体を大きく写せるということになります。
小さなものを大きく写せるマクロレンズ
マクロレンズってよく耳にすると思います。
マクロレンズは花や昆虫などの小さいものを大きく写せるようになるレンズになります。
雨上がりの葉っぱから滴り落ちそうな雫などのアップ写真はマクロレンズを使用して撮影したものです。
最大撮影倍率は、そのレンズが一番近くまで撮影できる距離で、センサーにどれくらい大きく写せるのかといった倍率になります。
その倍率が1倍であれば、等倍なので大きく写せるわけです。
先ほどのNikonの「AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G」のレンズには“Micro”と記載がありますが、このように最大撮影倍率が1倍のものを一般的に「マクロレンズ」と呼びます。
最短撮影距離と最大撮影倍率

先ほど、“そのレンズが一番近くまで撮影できる距離”という表現をしましたが、これがレンズの最短撮影距離になります。
最短撮影距離が短ければ短いほど、レンズを近づけて被写体を撮影することが可能になるわけです。
想像してみてください。
スマホで写真撮影モードにして、撮影したい被写体に近づいていったとします。
近づけば近づくほど、スマホの画面に入り込む被写体の比率は大きくなっていきますよね。
つまり、最短撮影距離での撮影がそのレンズにとって被写体を一番大きく撮影できる距離になるわけです。
その時の被写体と、センサー(撮像面)に写された像の大きさの比率が最大撮影倍率になります。
先ほどのNikonの「AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G」だと、撮影距離が0.163mのところで被写体を等倍撮影できるということを意味しています。
撮影倍率1倍と1/2倍の違いは
1倍は等倍になりますが、1/2倍の場合はどのように撮影されるのか。
イメージ図になりますが、下記のようになります。

フルサイズセンサーは 36mm × 24mm になるので、倍率1倍ですと横36mmまで被写体が写るのに対し、倍率1/2ですと、横72mmまで写ることになります。
※実際は構造上誤差が生じてくるとは思います。
最後に
文にするとどうしても“ん?”となってしまうこともあると思います。
なので、レンズの仕様を見て、最大撮影倍率が大きいほどデカく撮影できるという認識で大丈夫です。
その際、最短撮影距離も見て、この距離でこの倍率ね〜とわかればOKです。
ちなみに、マクロレンズでない場合、ほとんどのレンズが最大撮影倍率がかなり低いです。
なので、ドアップで写したい場合はマクロレンズを、その他は最短撮影距離を注意深く見ると、撮影したい目的にあったレンズを選べるはずです。
以前、センサーサイズのサイズ比較について説明しましたが、単純にセンサーのサイズが小さいと切り取られる範囲が狭くなります。
つまり最大撮影倍率1倍のレンズを付けた場合、センサーサイズが小さい方が被写体を大きく写すことができるのです。
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